フランス原子力発電の安全性へ、ASN(原子力安全委員会)がきのう回答 - 福島第一原発事故後、フランス全土の原子力発電について、フランス政府は原子力安全委員会に安全性に関する調査と今後の対策について詳細の見通しを提出するよう依頼していたが、きのう原子力安全委員会から総合的な見解が発表された。
福島第一原発事故のような、突発的な自然災害をきっかけに起こるような緊急事態に際し、原子力委員会は、①中央司令室について、原発の外部にシェルター式の司令室を建設する、②電源破損の際にリレーできる独立した電気ジェネレーターを設備する、③核燃料貯蔵プールの水をいかなる状態でもキープできるようなシステムをつくる、④事故発生後24時間以内に対応できる人員施設を整備する、の4点をうちだし、原子力発電所の所有者にこれらを実践するよう強く要請した。
発電所所有者であるEDFがこれらの設備投資すべてを負担することになるが、EDFは独立した電気ジェネレーターの設備だけで20億ユーロ、核燃料貯蔵と冷却に関するシステム設備建設に100億ユーロがかかる見込みだとしている。われわれ一般家庭の電気代の請求書への跳ね返りは、現在のEDF料金1メガワットにつき42ユーロが、将来最高50ユーロに値上がりする計算。(フランス2TV)
フランスの鶏の扱いに対し、EUがクレーム - 卵の大量生産のために人工成育されている鶏の「健康」に関するヨーロッパ連合の規約が改められ、フランスの鶏の扱いにクレームがついた。EUの規約では、鶏一羽に対し750cm平米の生活空間がなければならない。これに反し、フランスの多くの鶏卵農家では大量の鶏が小さな檻に入れられ圧死する鶏も続出している。新しいEU規約を守らない鶏卵農家は、EUから罰金が科せられ、またEU規約を厳守しているドイツなどの近隣諸国からフランスの卵にたいするボイコットも予想される。(フランス2TV)
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ロンドンの新年 London fireworks on BBC
深夜12時のビッグ・ベンの鐘と同時に始まった花火は、12000本。11分にわたっての大スペクタクル。2012年ロンドン・オリンピックへの導火線ともいうべきイベントとなった。
パリは花火はなく、比較的静かで暖かい新年。ちなみに気象台始まって以来の暖かい元旦だと言う。
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年末調査、「環境」 - 2011年はフランス気象庁始まって以来の「暑い」年となった。記録的な気温の上昇を記録した2011年ではあるが、国民の意識は地球の温暖化現象よりもむしろ、世界中で脅威的な猛威を振るう異常気象や大気汚染に関心があるという結果が出た。大気汚染に16%、温暖化現象に13%、絶滅危機種に7%の順。
環境にかんして、1995年は国民の3分の1が 関心があると答えたのに対し、2011年は国民の2分の1という高率。
日常的な水の節約やごみの分別へも積極的なり、普通の野菜より少々高くつくが、無農薬・無添加食品を率先して買うというフランス人は20%に上るという。「私たちの吸っている空気や、食べているものはとても気になります」とは消費者の声。(フランス2TV)
My opinion: フランスのごみ分別の普及は日本やドイツのようには行かなかった。フランスのごみ分別の始まりは、オイルショックのあとの1974年ということになっているが、長いあいだ瓶回収などの大まかな分別に留まっていた。環境省による「ごみ分別キャンペーン」は1993年にはじめて行われているらしい。国民の一般家庭レベルでリサイクルされるプラスチックや紙のための新しい分別用ゴミ箱が置かれて現在のような分別が行われるのはそれよりずっと後の2000年前後のことになる。一般家庭のための全国的な分別キャンペーンは再びこれよりまたずっと後の2007年に行われ、ようやく現在フランス国民のあいだに浸透しつつあるというのが現実のはなしである。したがって、今日のニュースの「ごみ分別へも積極的になり・・・」というTVのはなしも、フランスの新しい動向なのだ。(S.H.)
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ノール・パ・ド・カレ地域文化振興局(DRAC)企画、アーティストインレジデンス、「La résidence-mission」(レジデンス使命)
・プログラム・テーマ A.R.T. : 「Artiste rencontre territoire (A.R.T.) 芸術家が地域と出会う」
現代芸術のあらゆる表現形式において、地域の問題(歴史、アイデンティテイ、土地の歴史遺産など)やランドスケープ(地形、人間、都市問題など)を通して仕事をするアーティストを募集。
・La résidence-mission」(レジデンス使命): ペイ・ド・コンデ(Pays de Condé)の地方立自然公園スカルプ・エスコー(le parc naturel régional Scarpe - Escaut ベルギー国境)で、「レジデンス・ミッション(レジデンス使命)」を行うにあたり、アーティストは4カ月まるまるこの地域で人々と密接に生活して、すでに出来上がった作品についての創作コンセプトを明らかにしていき、人々の理解と地域の文化的視野を深めるよう努力する。したがって、レジデンスは作品の制作をするものではなく、作品作りに不可欠な、思索、試作、そして実現という芸術創造のプロセスを住民に理解させることが使命となる。
この間、芸術行為の進展について地域の文化関係25団体と接触することが決められている。
・地域の自然や住民とかかわるに際し、地域の産物、歴史的特質、自然環境、水の問題、エネルギー問題その他都市環境問題へのアプローチも望ましく、現地の教育者、芸術家との接触を契機に、教育、ツーリズム、社会的また文化的環境にかんする積極的な視野が必要になる。
・DRACと地方立自然公園スカルプ・エスコーの援助金: 総額12000ユーロ(すべて込み)。
・レジデンス期間: 2012年4月初旬から7月下旬まで。
・応募内容はPDFで(国際コンクール フランス語および運転免許不可欠)。
- 手紙
- CV
- ポートフォリオとアーティスト・ステートメント
- レジデンスの際に利用できる作品リスト
・締め切り、2012年2月1日。
・送付先: a.legendre@pnr-scarpe-escaut.fr
Parc naturel régional Scarpe - Escaut
Résidence ART à l’attention de la Mission éducation au territoire et culture
357, rue Notre Dame d’Amour
F-59230 Saint Amand les Eaux
Information :Audrey LEGENDRE+33 (0)3.27.19.19.93
www.pnr-scarpe-escaut.fr
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Le Prix CUBE キューブ・プライス
国際コンクールLe Prix Cube 2012は、デジタルアートに関する賞で、二年以内に制作されたインタラクティブ・アート、ジェネレーティヴ・アート、ネットワーク、インターネットなどを活用したインスタレーションや斬新な装置によるクリエーション(ビデオアートや写真、またパフォーマンス・アートを除く)を募集している。対象のアーティストは35歳以下。
Cube Festival 2012には5つの賞が用意され、最高は 10 000€(ユーロ)。
締め切りは2012年1月31日、12時。
応募ページへ: http://www.cubefestival.com/
Le Cube Festival 企画: Le Cube, centre de création numérique et Grand Paris Seine Ouest.
コンタクト : festival@art3000.com
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12月25日、クリスマス

Yayoi Kusama, Exhibition MNAM, Pompidou Center
草間弥生展、ポンピドー・センター国立近代美術館、ギャルリー・シュッド
2011年10月10日-2012年1月9日まで
www.centrepompidou.fr
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ロワシー空港、警備員のストライキ - 年末の行き来の激しいパリ国際ロワシー空港で、荷物などを検査する警備職員たちが賃金値上げを要求するストライキに入り、空港では延々と利用客の列が際限なく続いて飛行機の発着に大きな支障が出ていたが、スト6日目の今日、政府に派遣された警察官たちが空港に乗り込んでスト中の警備員の代わりに荷物検査などをして検問に並んでいた利用客の便宜を図り、空港の正常化に勤めた。
警官を介入させた政府の処置に、ストライキ中の空港職員たちはもとより、共産党組合や政治団体が激怒。ストライキは、労働争議の権利として認められており、ストライキ行為による仕事の支障を他の労働力で補填して正常化しようとすることは、争議権を抹殺することにほかならない。国による警官介入処置への組合員や政治団体の抗議にフィヨン首相は、「麻痺した空港を解除するのが目的でしたが、なによりも年末年始の大事な時節をかたにとってストライキをすること事態が許せません」。今朝6時から空港に送りこまれた武装警察官たちは80人。空港周辺の警備に当たっていた警察官とあわせて180人がスト中の警備員の代わりに仕事に取り掛かり、警官は操作免許を持たないスキャナーなどの使用はスト不参加の警備員に任せ、利用客を飛行機に乗せるための荷物検査や身体検査をした。
朝のニュースに引き続き夜のニュースでは内務大臣クロード・ゲアンがフランス2TVで警官の介入について説明。サルコジ大統領自身もこれについての支持意見を表明した。
革命共産戦線(LCR)のオリビエ・ブザンスノは空港で、「警備員の仕事をさせに警察を送り込んで政府はストライキをぶっ壊したんですよ!ストライキの意味をぶっ壊すのは、権利をぶっ壊すのと同じです」とし、また共産党組合の支持に訪れたフランス共産党のマリー=ジョルジュ・ビュッフェは、「警察が出てくるのは予想がついていましたが、スト中の警備員の代わりに仕事をするなんて、前代未聞じゃあないですか」。
労働争議権の遵守か、クリスマスで帰郷を急ぐ人たちへのサービスか。スト不参加の警備員による乗客検査を待つ利用客の列は平均45分待ちで、警官の「援護」が加わっても待ち時間はたいして変わらなかったという。
豊胸整形手術用の不良シリコン、外国での問題 - 20日のニュースに引き続き、フランスのPIP社の豊胸手術に利用するシリコン製品の問題で、PIP社の製品の84%がスエーデン、イギリス、ベルギー、ドイツなどに輸出されているため、外国での問題をあきらかにするために、フランス2TVはPIPのシリコンで災難にあったイギリス女性を発見し取材した。
この女性によれば、シリコンの外膜が破れて摘出したところフランスのPIP社のものと判明し、弁護士に言われて証拠品として保管していたが、当のPIP社が弁済不能状態のため、整形手術をしたクリニックを相手に訴訟を起こした。同業者の医師によれば、「PIP社のものは手にとって曲げてみると周りの皮膜に変な折り目がついてしまうなどし、不良品だということがすぐ分かります」。(フランス2TV)
23日朝のニュース: 3万人の女性の胸から不良製品のシリコンを摘出することをこれから半年以内に国が推進する方針を決めた。一方で、専門家によるとPIP社のシリコンだからと言ってすぐに発がんの危険性があるわけではなく、摘出をしたくない女性はそのままでいてもいいのではないかという。国民保険が3万人の手術に見込んでいる予算は、6000万ユーロ。
My opinion: サルコジ政権になってからの特徴は、国が小さい問題に関与しすぎる傾向にあることだろう。誘拐事件や殺人事件などのたった一人の犠牲者の葬式にも大臣が参列したりしている。クリスマスの帰省時期のストライキという理由で警官を出して争議権に抵触したり、医療費の高騰、国民保険の赤字、医療施設の激減や適切な医療を受けられない地域や人々の増加などの医療の大きな問題を国が孕んでいながら、美容整形者全員の不良品摘出手術代を国が負担することを決めたりするのは、異常の判断としか思えない。PIP社の不良シリコン事件は、現政府の「問題の取り上げ方」自体を疑問視する好材料として、ここ数日頻繁にメディアが取り上げているものと解釈していい。
債務不履行で社長を始めとして幹部全員が姿をくらましてしまったPIP社の事件は、その製品の大半が外国へ輸出されていたことから国際事件へ発展した。社長は南米に姿を隠していると言われ、また3万人の手術の補償をしなければならない国民保険は訴訟を起こす方針だという(24日付ニュースから)。(S.H.)
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2011年の話題の女性第一位 - 2011年12月19日、フランスのTerrafeminaによる今年一番話題になった女性についての世論調査で、ドミニク・ストロス=カンの妻でジャーナリストのアンヌ・サンクレアが選ばれた。第2位は、ドミニク・ストロス=カン退陣後に国際通貨基金のディレクターに就任したクリスチーヌ・ドラギャルド、3位は社会党のマルチーヌ・オブリィ、4位は歌手のノルヴェンヌ・ルロワ、5位はFN国民戦線のマリーヌ・ル・ペンという順位。アンヌ・サンクレアは、夫ドミニク・ストロス=カンの婦女暴行容疑逮捕以来、夫を支え続け、裁判や莫大な保釈金の肩代わりをした。
この世論調査に19日付のヌーベル・オプセルバターで、ヨーロップ・エコロジー・レ・ヴェールEELVの大統領候補エヴァ・ジョリィは、「(アンヌ・サンクレアが一位に選ばれたのは)悲しいですね。国際通貨基金のディレクターや、政治の第一線で活躍する女性や技術者が一位に選ばれるべきではないですか。あまりに前時代的な感じで、がっかりです」と発言した。
ちなみに内訳は、アンヌ・サンクレアに投票した大多数は女性という結果が出ており、2位にマルチーヌ・オーブリィを選んでいる。一方、男性の選択は、国際通貨基金のクリスチーヌ・ドラギャルド、2位に国民戦線のマリーヌ・ル・ペン、3位に社会党のマルチーヌ・オーブリィの順となっている。(ヌーベル・オプセルバター、シュッド・ウエスト紙、フランス2TV、TF1TV、BMFTV)
豊胸手術に発がん物質、国民保険が補償 - 豊胸整形手術のさい胸に埋め込むシリコンに用いられるPIP社製造のシリコンが、実は人体への使用に不適当な産業用シリコンを使ったものであったことが判明し、整形手術を受けた女性の団体が世論へ危険性を訴えていたが、シリコンを包む皮膜が破れるなどの事故が相次ぎ、12人が乳がんを発病して死亡するなどしたため、国は「予防の原理」を適用する方針を決めた。PIP社の シリコンと乳がんとの関係についてはまだ明らかにされてはいないが、 シリコンを取り除く手術を国民保険が支払う。PIP社の製品で整形手術をした女性は3万人にのぼり、そのうち80%は美容のための整形で、のこり20%は乳がん手術後の整形に利用されたと言われている。80%の美容整形者については、 シリコンの摘出にのみ国民保険がきくことになる。
PIP社は年間10万個のジェルを産出する世界三番目の大手会社で、製品のほとんどは海外へ輸出されていた。ジェルを包む皮膜の破裂などの問題が頻発して社員組合が動き出していたが、PIP社の幹部は社員を置き去りにして全員姿をくらましてしまったという。(フランス2TV)
My opinion: アンヌ・サンクレアは、ポール・ローゼンベルグという20世紀初頭の大画商の孫に当たる。ポール・ローゼンベルグは、ピカソやマチス、ブラックなどを扱い、カーンワイラーと並ぶ有数の画商だった。アンヌ・サンクレアは遺産の絵画をいくつか引き継ぎ、億万長者というよりもその財産は計算できないくらいに膨大であるらしい。夫ドミニク・ストロス=カンの保釈金やニューヨークのアパート代警備代その他の莫大な出資はみな、アンヌ・サンクレアが引き受けたというはなしだ。婦女暴行容疑と汚名、その後次々と明らかになる夫ドミニク・ストロス=カンの不倫にもかかわらず、公衆の面前では夫を支え続け資金をつぎ込んで惜しまなかった。これを家庭崩壊を避けるために世間の目や夫の行状に耐える「けなげで忍耐強い主婦の鑑」と判断するか、「意志の強い女性」と判断するか。ともあれ世間はいろいろで、「分かれないのが不思議」という人も実はかなり多い。女性の投票が多いのは、どちらかと言うと「よく我慢している」という驚嘆によるものではないだろうか。いっぽうで、男性が国際通貨基金のクリスチーヌ・ドラギャルドを一位に選んでいるところを見ると、男性軍は、この機構の世界初の女性ディレクターをしっかり評価し、選考基準に社会的評価を先行させていることがみてとれる。エヴァ・ジョリィに反論する気は毛頭ないが、内訳をこういうふうに解釈すると、なかなか捨てたものではない。
PIP社の産業用シリコン事件は、がんとの因果関係がはっきりしていないことから国が補償する対象とすべきなのかどうか、世論は疑問視する傾向にある。発がん性の可能性のある産業用のシリコンを体に埋め込んでいる事実を知った女性たちは、身の危険に苛まされていることだろう。それにしても、PIP社の輸出先のシリコンについてはどうなる?(S.H.)
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教員、大幅人員削減 - 2012年度に1万4千人の公立小中高校の教員削減が行われることになっているが、昨日、教育省から教員削減の対象となる市が発表された。800から900人以上の教員のポストが消滅する町は、ベルサイユ、クレテイユ、ナンシィ・メス、リルの4市。その次に挙げられているのはコルシカ、ポワチエ、レンヌ、ナントの4市となっている。内訳は、小学校4000、中学校5700、高校6550の教員の雇用削減となる。
教員削減に反対の多い世論に対し、リュック・シャテル教育相は「20年前と比べたら格段に教員の数が多くなっているため、今回の削減は教育の後退ではない」と発表した。しかし、近年のフランスの出生率増加で子供の増加は、小学生は6000人、中学生2万1200人、また高校生6600人となっており、20年前の教員数のみを引き合いに出して比較できるのかどうかは疑問だ。
教員削減法案が提出されてから、多くの法案反対デモが行われてきた。2007年以降、すでに5万近くのポストが削減されており、今回のさらなる教員削減は、現在一クラス少人数制が適用されて、教師の目がすみずみまで行き届いている授業に、クラスの合併で人数増大、落ちこぼれの生徒のための課外授業廃止などのかたちで大きな影響が出てくる。「NON à 30 élèves par classe ! 一クラス生徒30人に反対!」とは現場の教師たちのみならず、生徒たちの切実な願いだ。(フランス2TV)
My opinion: 「一クラス30人に反対!」とだけ聞くと、意味が分からないかもしれない。フランスではクラスで教師が目が届く人数は20数人といわれる。そしてこの数が公立小中高校では一般的でもある。したがって、一クラス30人を超えると教師の目がすみずみに届かなくなり授業に支障をきたし始めると考えているようだ。日本の学校の40人から50人のクラスのあり方と比較していくと、フランスの20数人のクラスのあり方は、はたして何が違うのだろうか。教師と生徒の関係は、生徒の数が少ないほうがより緊密であるに違いない。教師1に対し生徒50は、初等教育というよりも、すでに大学の大講義室の聴講型の割合にちかい。日本の家庭教師や塾が一向に廃らないのは、教師との緊密さを求める家庭や子供の欲求が大きく反映しているからだろう。
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