Shigeko HIRAKAWA
自然 6 - 酸素分子



O2a.JPG




Molecule of Oxygen
O2b.JPG
酸素分子の形


Art Omi International Artist Colony / アート・オーマイ・アーティスト・イン・レジデンス
 New York, U.S.A. 2004年6-7月





airenperil_omi_mole_1
Installation 酸素分子
二つの円がつながった形の酸素分子型に芝をトリミングした地面に、高さ2,2mの風船とシャボン玉製造機を設置。全長25m
扇風機4台、ビニルシート、シャボン玉製造機、シャボン、電気、ケーブル



〈酸 素分子〉は、2004年に構想した〈空気が危ない(危 機状態の空気をテーマにした)プロジェクトのエレメントのひとつで ある。

アメリカ、ニューヨーク州のアート・オーマイでは、レジデンス招待期間中、野外インスタレーションの酸素分子とともに室内インスタレーション、
およびシャボン玉、枯れた木々、また、酸素分子インスタレーションのバリエーションなど、アイデア・ドローイング等、約40枚を制作した。
 
O2baloon.JPG






artomi_ballon_1
扇風機4台とビニル シートを使った風船
高さ2.2m x 直径1.8m






〈空気が危ない?〉プロジェクト

地球の温暖化や人間の呼吸器障害を招く大気汚染が、昨今ますます、世界の重大な話題として取 り上げられています。汚染された都市を逃れ、自然のなかへ肺一 杯きれいな空気を吸い込みに出かける人々も多い中、どれだけの人が自然も人間同様大気汚染に苦しんでいることを知っているでしょうか。

「四本に一本の木が、25%の枯葉に侵され、十本に一本の木が10%の葉の脱色に侵されている」。これは、≪大気汚染が森林に及ぼす影響を計測監視し、森 林を大気汚染から保護する≫目的で、ヨーロッパ連合が欧州全域にわたる森林の統計を取り、発表した報告書の内容の一部です。「四本に一本の木が、25%の 枯葉に侵され、十本に一本の木が10%の葉っぱの脱色に侵されている」という数字をもっと均して言えば、「全森林の16%が枯葉に侵され、森林の1%が脱 色している」ということになるでしょう。
大気汚染は森林のエコシステムをも侵しているのです。

・・・さてここで、私が問題とするのは、森林が「脱色」している事実です。
葉は、葉緑素といわれる色素によって緑に見えるわけですが、葉緑素は、植物が二酸化炭素と水を取り込んで、太陽光線をエネルギーに、グルコース(ブドウ 糖)と酸素を作り出す働きをするものです。この働きを「光合成」といい、葉緑素が作り出すグルコースは、植物自身の栄養素となり、酸素は地球上の生物が生 きていくのに必須不可欠の空気となるわけです。葉緑素の減少は、植物の二酸化炭素を吸収する能力の減少であり、植物が作り出す酸素の量の減少を指していま す。
森林の1%の脱色は、まだわれわれの目には見えていません。しかし、われわれの眼がそれとはっきり気づくときは、すでに手遅れなのでは?

森林の緑が褪せて見えるとき、私たちは「空気の危機 – Air in Peril」のまっただ中にいるのです。

空気が危ない?プロジェクトは、こうした再生能力を失い 始めた森林の働きを助けるために生み出したプロジェクトです。
空気が危ないプロジェクトは、人工のピグメントで葉緑素 が行う光合成を真似て、エコシステムが侵されつつあることを視覚的に訴え、世界に警鐘を鳴らそうととする光合成の木、太陽エネルギーで起きる電子のメカニズムを物体化した風車、また風車が製造する酸素分子、という三つのエレメントで構成されています。
(この酸素分子をArt Omiで実現しました。)
平川 滋子







air_omi_bulle_1





 artomi_bulle_3artomi_enfants_1




O2savon





アート・オーマイのス タジオで室内インスタレーション
artomiartomi_3artomi_1artomi_2
酸素分子、光合成の 木、気泡、シャボン玉などのドローイング、扇風機を 利用した風船、ビーチボール
Art Omi International Artist Colony, New York, U.S.A. 2004