Shigeko Hirakawa / 平川滋子
   自然 4 - アプロプリエーション
 
Tree Wedged 2000
高さ250cm

 ギャラリー・パスカル・ヴァンノエク
2000、カシャン、パリ

 
     

Wedged Wood 2000
高さ220 - 250cm
木、ナラ、シポ、蜜蝋

Immersed Roots 1999-2000
(壁の作品)
フレーム: 40 x 50cm
木の根、蜜蝋
個展の一部 2000
ギャラリー・パスカル・バンノエク企画,
フランス、カシャン
     
個々の人間は社会の一員として生きているが、アーティスト とて例外ではない。仕事をする場が公共である如何にかかわらず外の世界に係わろうとすると、必ずと言ってよいほど社会的な制約にぶつかることになる。一見 自由に見える野原や森、公園なども仕事に利用しようとすれば管理者の許可が必要である。今日、至る所人間の管理を免れないところは無いと言ってよいから だ。フランスは1999年12月の大嵐で多数の木々が倒れて全国的に多大な被害を出した。人々はいち早く復旧作業を開始したが、一方で倒れた木々の処理や 市場価格の計算に頭を悩ませ、また何十年もかかるという植林計画の見通しを立て始めた。これは人間が、環境保護にせよ経済目的にせよ、自己の目的のために 自然に働きかけているという事実を我々にまざまざと見せつけた好例であった。人間は天災をくい止める力も無いままに人間の生活に適合した自然を作り出すこ とに専心し続けているのである。
翻ればまた人間もしかり、こうした自然のあり様は社会のなかで人間が強いられている生き方に酷似している。社会の管理のなかにいる人間は、それがいかなる 社会であっても、社会の要求に応えるべく人間形成が図られていると言って過言ではない。教育にしろ文化にしろ、政治経済などのあらゆる要素のなかで、我々 は我々が拠って生きるところによってその生き方が方向づけられてしまうことに無関心ではいられないはずである。
この展覧会では大嵐で倒れた木を根と枝を落として幹だけにし、幹の下部と上部に板を取り付け、ちょうど幹の部分がサンドイッチされた形にしてもう一度立て 直してみせる。人間の目的のために制限を受ける自然をシンボリックに、また人間社会の個々の人間をメタフォリックに表現しようとするものである。

(2000年5月28日から7月まで、ギャラリー・パスカル・ヴァンノエク企画個展に寄せた、平川 滋子の文章)
     
2001
高さ205cm
木の根、木
マラコフ市メゾン・デ・ザール現代アート・センター
2001
 
     
2001
高さ170cm x 80 x 120cm
木の根、松、ナラ
マラコフ市メゾン・デ・ザール現代アート・センター
2001